ゴジラの味噌汁

かげろう(!日記)
'!' は論理演算子 Not です。
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05年  04月 某日

■  幻のウルトラQ
ご存知「ウルトラQ」は全部で28話が作られ、1966年に放送されたテレビドラマ。
それまで本格的なSF、怪獣映画は映画館でしか見られなかったが、それがテレビで見られるというので日本中の子供が熱狂した作品であるが、このシリーズに幻の第29話が有ったのを知ったのは昨年のこと。
タイトルは「盗まれた時間」。
この作品のDVDが一部に出回っているとのこと。あちこち探した結果、遂に入手した。

パッケージには「アナログウルトラシリーズ」とある。
白黒フィルムで撮影された作品をブラッシュアップしてビデオと見まごう鮮明な画質を実現し、ステレオ音声にノイズを加えた「ドルビーアナログ5.1chモノラル」という最新の擬似モノラル技術を採用している。
また、特典映像として香港版劇場用予告編と貴重なメイキング映像が収録されている。

さて、その本編。
各地で発生する時間の異常なリワインド現象。遂には太古の生物であるはずのラドンプテラノドンまで出現。
一の谷博士の助言を受け、この謎を解明すべく鍵を握る人物、波川博士の元へ向かう淳、由利子、一平の三人。

...ウソです。
本当は「荻窪東宝」さんで以前から製作記が掲載されて期待が高まっていた「ウルトラQ」第29話を自主制作しちゃおうという大胆かつ無謀な(^-^)企画が遂に完成。
お疲れ様でしたー。DVDも送って頂き、ありがとうございます。
今まで何本も自主映画を制作をされてきた方だが、なんと、今回は21分の本編がネット上でも見られる! いやー、良い時代になったもんだ。

で、以下、ネタバレも含まれるので未見の方は先に上記サイトでご覧になることをお勧めする。
ノスタルジックな写真構成の導入部に続いて突然「タケダ、タケダ、タケダー」の歌と共に武田薬品の看板を空撮したスポンサーのクレジット。どひゃー、こんな映像、何処で手に入れたんでしょう。途中で挿入されるハイシーAのコマーシャルと共に、この作品が完全なパロディーであることを主張する。
「ウルトラQ」は面白い。だから同じものを作ってみようって発想はあると思う。実際新作が放送されたのは記憶に新しい。でもそれは昔のウルトラQとは別物として見なければ見るに耐えない。でもパロディーなら違いも許せちゃうって云う所が重要である。そうでなければ単なるパクリになってしまう。冒頭でガツンとやっておけば出演者(皆さんいい雰囲気でした。)の違いもビデオによる画質の違いも気にならなくなる。
そしてパロディーであることを承知で見るならば、ミニチュアワークや合成などの特撮、懐かしいソニーのトランジスターテレビなどの小道具、和菓子を作る機械を改造したという時代を感じさせる奇妙なメカ(時間分解装置。なんと(有)青島文化社の銘版が)などが、白黒の画面とあいまって実に懐かしい雰囲気を醸し出して、しっかりとウルトラQしてるんである。
SF的要素も最新の理論とかを変に説明しすぎず、かと言って「何じゃこれ」って云う説明不足も無く、昔の認識をなんとなく納得させちゃう程好いレベル。時間のリワインドってアイデアが自然に映像化されて、あんな懐かしい雰囲気の機械なら実現できそうだなって思わせる。
最後にはお約束のちょっとしたオチも用意されて(パートカラー)これも納得。

そして支配人さんの作品は、サイトをご覧頂くと「無責任パッケージ大作戦」なんてコンテンツが有るように、パッケージや特典映像も含めてトータルの作品なのだ。
パッケージはすみから隅まで支配人さんの独壇場。「JASRAC」の承認シールかと思うと「JALPACK」だったり、「見終わったディスクは必ず最初まで巻き戻し、ケースに入れて保存してください」って、どうやってディスクを巻き戻すんじゃ! とか。ご丁寧に解説も入っていて架空座談会やヲイヲイっていう秘蔵写真も収録。
メイキングビデオにはNGシーンや本編では使用されなかったシーンなども収録されて、出演者、スタッフの和気藹々とした雰囲気が伝わってくる。特にミニチュア撮影中の画面の外の会話などすごく楽しい。
あ、カットされたシーン、これ捨てちゃうのもったいないですねぇ。一平ちゃんが道に迷ったところなんか有った方が良い気もしますが。

願わくばこちらの映像もネットで公開して頂きたい所だけれど、転送量の関係もあるし難しいのだろうか。

05/04/10
感想文とか

■ コメント


洞口 久光  05/05/29 15:11

ウルトラQ「盗まれた時間」早速、視させて頂きました。40年前の雰囲気が良く再現されていて、正直、感激しました。1本のドラマを作る事は、大変な作業ですが、関わったスタッフの熱意が感じられます。CM映像も懐かしい。クレジットを良く見ると、「キヌタラボラトリー」が「タヌキラボラトリー」になっていたり、隠しネタ探しも楽しいですね。モノクロの映像の良さも再認識しました。


秋津  05/05/30 02:09

一度に二つもコメントありがとうございます。

>早速、視させて頂きました。

え? ってリンク先を確認したら、復活してたんですね。今月の初めに配信中止になってたので残念に思っていたのです。もう数日早かったら見られないところでした。
洞口さん、運が良いです。

で、もっと驚いたのは「タヌキラボラトリー」に注目されているところ。
「荻窪東宝」さんの掲示板 http://ogikubo-toho.com/cgi... で、私も同じ事を書いた http://ogikubo-toho.com/cgi... のですよ。

かなり趣味が近いのかもしれませんね。


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