ゴジラの味噌汁

かげろう(!日記)
'!' は論理演算子 Not です。
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05年  07月 某日

■  武蔵野
うちは石屋さんが使うちょっと特殊な建機の販売とか修理をやっているのだが、現場で動かなくなると墓地や霊園で修理することも多いのでいろんなお寺へ行く。
麻布や赤坂なんていう超一等地にある猫の額ほどの小さなお寺から建長寺や円覚寺といった巨大で有名な観光地まで千差万別だが、今回は驚いた。いや、驚いたというより感動したと言ってもいい。
埼玉の野火止にある平林寺というお寺。

朝、お客さんから電話があって、クレーンの油圧が急に動かなくなったらしい。
設置した状態で動かないから撤収もできないのですぐに来て欲しいとのこと。
症状や壊れたときの様子を聞いて原因は判ったので部品の在庫を確認して地図を見たら、探すまでもない。で、でかい!
東京ドームなら5-6個は楽に収まりそうだ。それが町の真ん中にデーンと在るのだな。
ああ、ここなら通った事有るけど、お寺とは思わなかった。

先に予定が入っていた杉並の石屋さんへ行ってから環七経由、川越街道で埼玉県新座市へ。
お寺はすぐに分ったけど広すぎて入り口が分らない。なにしろお寺の端から端までバス停が三つもある。住宅地から道一本隔てた反対側は広大な森が広がっている。意外と小さな茅葺の総門から車は入れないのだ。
石屋さんに門まで来てもらって現場へ案内してもらう。少し離れた所の作業用の入り口から中に入る。

広くて由緒のあるお寺はたくさん行った。大きな本堂や付随した建造物。先にあげた建長寺や円覚寺などのように、同じ敷地内にナントカ庵とかナントカ院など多数の小さな寺が寄り集まったお寺のデパートみたいな所もある。大抵の場合、周辺は山かそれを切り開いた霊園で、結局見るべきは本堂とその周辺だけだったりして、広くて外から見ると木に囲まれているけど普通は少し入ると墓地が広がってるもんである。
だけど此処は違った。車でどこまで行っても森なんだ。広大な森の中に僅かばかりの墓地が点在している。その森も下草が刈り取られ、適度に人の手が入った雑木林だ。森林公園に迷い込んだような錯覚になる。埼玉といっても郡部ならいざ知らず、練馬からたった20分の所にこんな自然が残っているのは驚異的ですらある。

機械は松平なんとか公一門の墓地の前にあった。高い石の柵で囲まれた大名墓ってやつだ。これ自体は都内にも結構有って、見慣れてるから驚きはしない。
石屋さんは本堂から続く参道の石畳の改修工事をしていたらしい。
分解にてこずって修理に3時間以上掛かったのだけれど、その間、通ったのは森を散策するご夫婦が二組だけ。平日で雨模様ってこともあるんだろうけど観光客もこちらにはあまり来ないようだ。もっとも、道に迷ったら帰れなくなるかもね。

宗教法人とはいえこれだけ広い場所を維持管理するのは大変だろうなぁ、なんていらぬ心配をしてしまうが、維持費を捻出するために木を切って霊園にするなんてことは将来もしないで欲しいな。
鉄腕アトムの「赤いネコの巻」でひげおやじや四足教授が愛した武蔵野ってこんな所だったんだろうと感慨にふける。普段カメラは持ち歩かないが、せめて携帯にカメラが付いてたらと初めて悔やんだ。(今の携帯はもう3年以上使ってるけど壊れないんだ、これが)

そのうち仕事抜きで来たいもんだ。

05/07/05
雑記

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