ゴジラの味噌汁

かげろう(!日記)
'!' は論理演算子 Not です。
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06年  05月 某日

■  祝「緯度0大作戦」DVD発売
という訳で予約してあったDVDが到着。この幻の迷作を再び観る日が来ようとは。

アメリカのドン・シャープ・プロが持ち込んだ企画に東宝が乗る形で制作されたのだけれど、撮影中に会社が倒産。結局東宝が全ての制作費を支払って完成させたのだけれど、どさくさで著作権が宙に浮いてしまいソフト化もテレビ放映も出来なかったといういわく付きの作品。
東宝も大金をつぎ込んで作った割にはソフト化にあまり熱心ではなかったのは作品自体の力の無さもあるのだと思う。
聞くところによれば全ての権利は東宝が有するという覚書は交わしてあったそうな。
だから本来なら大威張りでビデオでもLDでも作れたはずなのだが、どうもその書類を紛失したらしいのだ。相手は起訴社会のアメリカである。関係者が権利を主張した場合証拠が無ければ負ける可能性が高い。たいして売れる見込みの無いビデオを作って大金を請求されたのでは割りに合わないってことなんだろうか。
今回DVDが発売されたと言うことは著作権の問題は解決したのだろうから、これからは名画座以外でも見る機会は増えるだろう。

でもってお話の方は(当時の)現代版「海底二万マイル」といった趣。
冒頭の海底火山の爆発による遭難、α号による救助、黒鮫号との戦い、と此処まではさすが円谷特撮の面目躍如なのだが、その後がいけない。

海底の理想郷「緯度ゼロ」の描写。ロングショットやマット合成を多用して努力をしているのは分かるんだけど生活感がゴソっと抜け落ちてるから世界に広がりが感じられない。
SF映画に異世界は頻繁に登場するが大概は失敗している。まあ、この辺は良く出来ていると評される「スターウォーズ」なんかでも似たようなものだから努力の跡が見えるだけでも良しとしよう。しかし、これが岡田博士救出にブラッドロック島に向かうと目も当てられなくなる。
ああ、しょぼい。あの島には二人しか住んでないのかい。手下は蝙蝠男が2匹だけって、飯を作ったり、掃除や洗濯は誰がやるんじゃあ。夜は棺桶で寝るのかい。
決定的なのは児雷也の大がまレベルの怪獣(?)たち。しょぼぼーん。バラエティー番組の被り物じゃないんだからさ。なんてったって哺乳類はいかんでしょ哺乳類は。
いっそ今風にCGで作り直したほうがいいんじゃないの?(いや、それだけは止めてくれ)
役者も比較的好きなのは岡田真澄くらいで実は宝田明は特に好きな役者ではないのですよ。「第三の男」は大好きな映画だけどジョセフ・コットンに思い入れは無い。平田昭彦さんが出てくると「おっ」と思うけど、ほんのチョイ役だし。
だいたい主要な登場人物がおっさん、おばさんばかりじゃ萎えるでしょ。

っと、まあ、一般的には突っ込みを入れずに観られるシーンを探すのが難しいくらいなので、とても他人様にお勧めできる映画じゃないのだけれど、私的には「ひたすらに黒鮫号が見たい」という一点に尽きる。

α号も充分にカッコイイし大活躍するんだけれど何と言っても黒鮫号ですよ。
やー、不気味だなぁ、カッコイなぁ、そして間抜けだなぁ。
一生懸命攻撃するんだけど常に自分で墓穴を掘る。これがすてき。(見方が偏ってるか?)
悪役なんで登場シーンは少ないのは承知してたけど思っていた以上に少ない。
あれー、こんな物しか出て来なかったかな。記憶ではもう少しは出てたような気がするんだけど、って30年近く前の記憶だからなぁ。その後の写真とかの情報で勝手にシーンを作っちゃってたんだな。脳内熟成。

でも収穫はある。シャッターが開いて主砲が出てくるシーン。うおー、かっちょえー、そうだったか、こんな風に出てくるのか、すっかり忘れてた。
それに同じカットに艦橋横の開口部から砲がせり出してくるところもしっかり映ってる。ここ、ペーパークラフトを作ってるとき資料を調べても最後までよく分らなかったんだよなぁ。想像と大きく変わっていた訳じゃないけど同じでもなかったかな。

もうひとつ、まったく印象に無かったのが後ろのノズル周りと翼の付け根の砲身が赤く塗ってあること。
えー? そ、そうかぁ?
これは赤く塗ると塗らないでは偉い違いになるぞ。模型的には。
映画の中では青いライトで撮影してるから赤は沈んで殆ど目立たない。(だから印象に残ってなかったんだけど)ここを赤く塗った模型の写真を見たのでそりゃ違うだろとか思いつつ注意して確認したのだった。

うーん、これだけ違うと修正するべきか悩む。でも直すにしても余程注意しないとイメージがまるで変わっちゃうよなぁ。模型は映像じゃないから。


おまけ: 波川女史 10体目。更に調整中。

06/05/01
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