ゴジラの味噌汁

かげろう(!日記)
'!' は論理演算子 Not です。
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06年  08月 某日

■  「時間よ止まれ」について考える
えーっと、少し時間がずれて唐突たけどSYUさんのエッセイ「タイムトンネルにお願い」を読んで改めてつらつら考えたこと。
ちなみに「時間よ止まれ」とは矢沢永吉のヒット曲であると同時にNHKのテレビドラマ「不思議な少年」で主人公サブタンの決め台詞でもある。
ちなみに、ちなみに、私はこのドラマは見ていなかったか、見ていても全く記憶にない。手塚治虫の漫画で知るのみである。

SFテレビドラマ「タイムトンネル」には時間が止まった世界というのが何度か登場する。

静止した時間の狭間で主人公が葛藤する、もしくは戦いを繰り広げる。
これは魅力的なシチュエイションで「タイムトンネル」以前も以後もSFには度々登場する。比較的新しいところでは神林長平の「猶予の月」とか。そしてそれはお約束の事柄で「時間が止まったら光も進まないのだから何も見えないはずじゃないか!」なんて突っ込みは全く野暮なことだ。
私だってそんな事は許容するくらいの度量は有る。
ただ、それとは別に「本当に時間が止まった世界はどんなものなのか?」
少しだけ理屈っぽく思いを廻らせてみた。

時間が止まったら光も進まない。これは子供でも思い付くことだ。でも少しだけ(ほんの少しだけ)増えた今の知識で光も止まるってどういう事なんだろうと考える。

「時間が止まった瞬間」というのは、ある(限りなく短い)一瞬を切り出すことに相当する。時間の流れも全体としては大きな流れを持っているが、ミクロな単位で見れば実は一様ではなくて(空間が一様でないように)流れたり淀んだりしているものらしい。そして更に短い瞬間を切り出したとき世界がどう見えるかということである。

不確定性原理によれば素粒子の位置は観測時間が短くなるほど確定できなくなる。つまり完全に指定された瞬間に一つの素粒子が何処に存在するかは全く不確定という事になる。逆に言えばある一瞬に素粒子は物理的に存在しうる(可能性のある)全ての空間の何処にでも同時に存在することにもなる。
物質が素粒子で構成されているなら、これでは物質は物質としての形を成さないことになる。もし静止した時間の中に主人公がいたら光が進まずに何も見えない上に物質がカオス状態になって何にも触れないことになる。手探りで前に進もうとしても霞の中を歩いているように何の手応えもないはずだ。

もう少し考えてみる。素粒子って何か?
現状、私の理解するところによればエネルギーの特殊な状態、私流に言い換えれば「力の結晶」である。(ほんとか?)
そしてエネルギーの本質が波動(つまり波)であるなら波は時間の関数だから時間が止まってしまったある一瞬にはポテンシャルは有ってもエネルギーそのものは存在しないことになる。つまり海の波には時間を掛ければ岩を削ったり波力発電で電気を起こしたりする力があるけれど時間が止まって静止した(海の)波には何の力も無いようなものだ。
これってどういうこと?

エネルギーが無ければ素粒子すら存在しない。エネルギーそのものが無くても結晶化したエネルギーである素粒子は残らないのか。不可能に思える。水の分子が無ければ氷はできない。素粒子が無ければ原子も分子も存在しない。つまり時間が止まった瞬間には物質世界は消滅することになる。
物質世界は時間から切り離したら存在し得ない訳だ。
うーん。ここまで合っているんだろうか。

時間が凍結した世界を見る主人公は無の世界を見ることになる。
もっと踏み込んでみる。
無の世界を見る主人公は何処にいるのか。
時間が止まったタイムトンネルに戻ったダグとトニーはスライドスクリーンを見つめる人間に似ている。
厳密にはスライドスクリーン上の映像は3次元+時間の4次元の世界なのだが(光子は3次元的に存在するし、時間的に走っている)スライド上の人々は2次元で止まっているように見える。そしてそれを見る人間(主人公)は3次元+時間の4次元の世界に生きている。この場合2つ上の次元から見ていることになるのだが。
もし主人公がより高い次元から人間を見られれば、あるいは時間が凍結した世界も見られるかもしれないが、スライドスクリーン上の世界が厳密には2次元の世界ではないように時間が止まった3次元世界も、より高い次元の幻でしかないのかも知れない。

人間は4つの次元しか感知する感覚がない。しかし現在素粒子の性質を説明するには数学的に11の次元が必要になるとか。数学が苦手な私には知る由も無いけれど、そして4以上の次元は人間にはどんな感覚なのか見当も付かないし本当に11次元必要なのかも今後の課題なのだけれども、いずれ解明できる日を願っている。
SFには過去や未来を見る能力を持った宇宙人や生物がよく登場する。人間がそんな能力を持ったら、ってな話も多い。

静止した時間の世界を見るのが不可能であっても、せめて「時間って何?」っていう質問の答えは知りたいと思う。

なお、以上の考察は素人のあさはかな考えなので信用しないように。
チャン、チャン!

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