という訳で10日、午前中に仕事を切り上げて午後から出発して5時頃に到着。すぐに暗くなるので、さっさとテントを張って、車の荷物を降ろし、水を汲んでくる。ここまで約2時間。初日はもう適当にメシを食って寝るだけ。問題は寒さ対策。
20代の頃は天体写真の撮影と称して(上手く撮れたことは無いのだけれど)毎年数回は真冬の高地でキャンプしたものだが、今は冬用の装備は無い。何より体力がない。テントの中では風が入らないのでランタン一つでも火の気があれば暖かいのだが、消したとたんにジワッと冷え込んでくる。ポコポコに重ね着してシュラフも夏用を2枚重ねて潜り込む。オーバーズボンだけは買ったけどね。
そんな中、今回の大ヒットは「湯たんぽ」。ホカロンは身に付けてしまうと空気の通りが悪くなって意外と非力だったりする。といっても普通の湯たんぽ(最近はプラスティック製もホームセンターで見かけるけど、どうなんでしょ?)はシュラフの中では大きすぎるから、洋酒の空き瓶にお湯を入れてタオルで包んで輪ゴムで縛っただけ。これがメチャクチャ暖かい。着込んでいるせいもあって、始めは汗をかくほど。朝方でもほのかに暖かくてありがたい。先人の知恵であるなぁ。
11-12日は昼間から酒を飲みながらのんびりと作業。中二日有ると何かするにも気分的に楽だ。そうそう時間が取れないのが難だけど。
夏は木漏れ日しかないのだが、今回は天気にも恵まれた上に落葉しているのですごく明るい。冬は空がスコンと抜けてる。
弟が胡桃を植える場所を選定している間に私はトイレの穴掘り。山の中ではトイレなんか無いので毎回スコップを持って藪の中で適当に済ましていたのだが、少し深い穴を掘って仮設トイレにするんである。後は泥を撒いておけばすぐに分解してしまう。いっぱいになったら別の穴を掘るだけ。これで数年は使えるだろう。
そうこうしているうちに場所が決まったらしいので、周りの草や低木を切って日当たりを良くする。夏に日が当るように高い木の枝もチェーンソーでばっさり切り払う。切った枝はそこいらに転がしておいても良いのだけれど、苗木の邪魔になるので少し細かくする。枝といっても10メートル近くあるから重いし、広がって引っかかるから動かせないのだ。5メートル以上の所で枝分かれしている更に高い木は滑って登るに登れないので、可哀想だけど根元から切り倒さなくちゃならない。結局2本だけは切ることにした。
夜はご飯を炊いて鍋にしようと思って材料を持ってきたんだけど、肝心の鍋を忘れた。仕方ないからフライパンで作る。ちょっと情け無いけど二人分くらいなら充分いける。テントの結露がすごいけど、これはお湯を沸かしただけでも同じ。残りは翌朝、おじやにする。
そして三日目。覚悟を決めて伐採。まずはシイノキ。まともに木を切り倒すのは未だ二回目、それも5年ぶりくらいだからちょっと怖い。倒す方向にクサビ形の切込みを入れてから反対側を切っていくのだけれど、ド素人だから低いところで切れない。どうしても切りやすい腰の高さになってしまう。もったいないけど材木にする訳じゃないから勘弁してね、ってなモンだ。それより切り口が傾いちゃうわ、上下にずれちゃうわで、もうギタギタ。地元の人が切り株を見たら大笑いされるな。
慣れれば倒れる瞬間は爽快なんだろうけど怖くて飛び退いちゃう。うーん、修行が必要だ。
一応木の無い方向へ倒すんだけど、広葉樹は枝が張っているので、どうしても引っ掛かってしまう。適当に枝を切り落として完了。幹は何かに使いたいけど重くて動かない。乾燥したらベンチにでもしようか。年輪を数えたら30本ほどだった。合掌。
1時間以上かかったけど、まあ順調。でも問題は2本目だった。
この木、何の木、気になる木。小学校の理科でも物理系は好きだったんだけど生物系は興味が無かったので、木や草、鳥や虫の名前がまるで分からない。この歳になって後悔するんである。多分イヌシデという木だと思うのだが、これが半端じゃなく硬い!
いくら切っても切れて行かない。そのうちチェーンオイル(チェーンの潤滑油が少しずつ出てくる構造なのです)が無くなって切り口が焦げてきた。
仕方がないのでオイルを補充して刃の目立てをする。目立て直後は多少切れて行くのだが、
数センチ切るとまた切れなくなる。3回目立てしてやっと倒れた...ら、方向が少しずれて2本の木の間にまともに挟まってしまった。ああ...。
最終日は撤収だけ。夜中に目が覚めちゃったので午前中は寝てた。片付けは設営の倍以上時間が掛かるけど、明るいうちに終われば良いのでうだうだと...ってやってると毎回暗くなっちゃうんだけどね。
ああ、体が痛い。