ゴジラの味噌汁

かげろう(!日記)
'!' は論理演算子 Not です。
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05年  12月 某日

■  溶接不良
急に車のクラッチペダルが効かなくなった。
営業車、兼乗用車として使っている10年物に近いスズキ・エスクードである。
我が家では昭和生まれで老衰寸前の軽自動車(スバルサンバー・同じく老衰寸前の父親が主に使用)と、石原某のゴリ押しで来年で使えなくなる日産の2tトラック(いすゞのOEM)の3台の老朽車を使ってるんだけど、一応これがメイン、っていうか下駄代わりなので壊れると困るのだ。

ペダルがグラグラと横に動く感じがするので調べてみると軸受けの溶接が割れている。
普通に考えればペダルをアッセンブリで交換すれば直るのだけれどウチも機械屋、自分で溶接し直せばOK...なんだけど、これ、奥なんで外すのが大変。
見れば構造は判るんだけど、シャフトと戻し用のスプリングはともかく、一番奥にあるクラッチワイヤーを外せるか?
いや、外した後付けられるか?
こういうのはやっぱり経験なんだよね。素人でもできないことは無いけれど慣れないとものすごく時間がかかる。どうしようか。

ところで、走行距離8万キロでペダルの溶接が割れるってどうなんだろう。
場合によっては事故につながりかねない場所ではあるし、溶接不良か強度不足も考えられるよなぁ。機械を知ってる身からすると使用期間も考えて微妙なんだけどクレームで処理できるんだろうか。
って言うかクレームを出した方がいいんだろうか。

というのも数日前、似たような修理をしたばかりだからなんである。
もちろん車じゃなくてホンダ製のクローラの運搬車なんだけど、ギヤが入らないから修理してくれという依頼で、見るとシフトレバーのステイの溶接が割れていた。
部品の在庫があったから交換してその場で直った。多分この近辺でこれをその場で直せるのはウチだけだろう。お客さんにしたら「すぐに直って良かった、良かった。さすが専門家!」ってことで大感謝された上に修理代も頂けるから本来なら気持ち良い仕事のはずなんだけど、実はちょっと後ろめたい。

素人目には溶接が割れるのは無理して使ったからと思えるかも知れないけど、割れ方を見ると明らかに溶接の不良なんだよね。肉は盛ってあるけど溶け込み不足。だからポロンと取れちゃう。芋半田と同じ理屈。要するに製造ミス。だけどお客さんにそんなこと言えないんである。
メーカーにクレームを出しても交換部品は送られて来るけど作業工賃や出張料は販売店持ちが普通。つまり仕事をしてもウチは一銭にもならない。保障期間が過ぎてても不良は不良だろ、と言いたくなるんだけど。
まあ、一般消費者が関与しない産業用機械なんてこれが実態ですよ。

あ、ホンダさんの名誉のために一応書いときますが、以前下請け工場の製造ミスで部品の取り付け方が間違っていて故障したときは(明確な製造ミス)、ちゃんと全ての費用を出して頂きましたですよ。これはメーカーとしては異例と言ってもいい。


ってわけで判断に迷ったので日産で設計をやってる(つまり車の専門家だ)義弟に相談してみたら、かなり厳しい答えが帰って来た。まあ、ライバル会社ってのもあるかもしれないけど業界の常識としての答えだと思う。

曰く、
今回はクラッチペダルだから良かったが同じ構造のブレーキペダルなら命にかかわる。
拠って(出来るからと言っても後の保障に関るので)自分で修理してはいけない。
更に持ち込みはせずに引き取りに来させて、その間代車を要求せよ。
応じない場合は消費者センターなど、しかるべき処と相談するべき。
とのことである。

なるほどねぇ。逆にメーカーサイドからしたら厳しい世界ではあるな。
明日ディーラーに連絡してみよう...。

話は変わって「はやぶさ」
満身創痍、刀は折れ矢は尽き、遂に竹槍で突進する状態。

「はやぶさ」探査機の状況について ... JAXA プレスリリース

14日以後に「イトカワ」を出発する予定らしい。そのときにもう一度書きます。
予定は未定 (T_T)

05/12/12
雑記

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