ゴジラの味噌汁

かげろう(!日記)
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03年  09月 某日

■  座頭市
久々の飲み会。
「座頭市」を観てからボーリングを3ゲームとバッティングセンターで2ゲーム。その後4時間の宴会。何とか終電に間に合って帰ってきたが...運動不足だ。体が痛い。

で、「座頭市」。劇場に行くのは「T−3」以来、久々。(あっ、これに付いては書かなかったけど思ってた以上には面白かった。でもさすがにシュワちゃんもお歳を召しました。)
タケシの映画は好きなんだけど何故今「座頭市」なのかってのは疑問に思ってた。
初期のモノクロ作品はすごく面白いんだけど後期の勝プロ主導の作品は(テレビシリーズも含めて)質は高いけど今一つ面白味に欠けてたから。
でもそんな疑問を吹っ飛ばしてしまうほどのパワーと出来の良さだった。
確かにこれ、タケシの狙ったとおり、勝新の座頭市とは別物だ。劇中でも一度も「市さん」とは呼ばれずに「あんまさん」と呼ばれるだけだし。
どっちかと言うと黒澤明の「用心棒」の正統的な後継者って感じ。サービス精神にあふれた娯楽時代劇の傑作と言っていい。随所に散りばめられたギャグが大量の血糊や暗いストーリーで重くなりすぎるのを救ってくれている。テレビなどでは人の良さそうな役柄をやってる役者さんをことごとく悪役にしてるのもいい。また芸達者ばかりだから凄みが増すんだ。
リズミカルな音楽に合わせたカット割もすごく上手くいってる。
その音楽もどことなく佐藤勝を髣髴とさせる。時代劇に現代的でリズミカルな音楽を持ち込んでるところが「用心棒」っぽいんだ。それにCMでやってるタップダンスのシーン。予告編だけ見るとなんちゅー時代劇じゃと思っちゃうけど、これも(...書いちゃっていいのかな)ラストに脈絡無く登場するんだが、ミュージカルだと思えば何の違和感も無い。昔だっていっぱい有ったじゃないか、美空ひばりや高田浩吉がいきなり唄い出す時代劇。サービス、サービス。おかげですっきりした気分で小屋を出られる。
伝統的な時代劇じゃないって声も有ったみたいだけど、ある意味、すごく伝統的だと思う。

だけどこれだけの映画でも”たけし映画”の中で最高かっていえばそうとも言えないのが逆にタケシの凄いところ。個人的な好みでは「あの夏、一番静かな海」や「キッズリターン」の方が上だったりする。
ただし金は掛かってるな。昔の”たけし映画”は予算がなくて画がすごく貧乏臭いけどこれは金を掛けて貧乏臭い画を作るっていう商業映画の王道だ。これで儲かったらまた地味な映画も作って欲しい。

03/09/15
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