ゴジラの味噌汁

かげろう(!日記)
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06年  03月 某日

■  蘇生
昨年末から通信が途絶えていた小惑星探査機「はやぶさ」との交信が回復したもよう。まずはめでたい。

だけど今の通信レートが32bps ってのがなんか「瀕死ー」って印象だよ。
これでも1ビットや8ビットよりましだけど、一秒間にたった4バイトのデータしか送れないんだものなぁ。漢字にしたら2文字ぶんですぜ。ネットの回線が遅いなんて文句言ってたらばちがあたるよ。

1月末にはビーコンを受信。意外と早い回復だったようだ。ただし、完全に電源が落ちて、極低温にも曝されたのだろう。ダメージも大きいようだ。

コンピューターがリセットされた訳でタッチダウン前後のデータも消滅したもよう。研究者にはこの辺が一番痛かったかも。
12月の時点で姿勢制御ロケットの燃料(ヒドラジン)が機体内に漏れていたのだが、その後、酸化剤(四酸化窒素)も漏出したらしい。これ、混ざっただけで発火するっていう性質があって、エンジンの構造を単純に出来るからスラスターに使われてるんだけど、よく機体内で発火しなかったものだ。不幸中の幸いっていうか、奇跡に近いんじゃないの?

バッテリーは内部のショートで使用不能。スラスターも燃料が無くて使えない。
電力は太陽電池で賄えるそうだが、姿勢制御も兼ねることになったイオンエンジンを再始動できるかが問題。
これから時間を掛けて内部温度を上げ、ゆっくりと機体内部に残ったガスを追い出してからエンジンのテスト。ハードルは高い。帰還できれば本当の奇跡だ。
でも、その奇跡を祈っちゃうぞ。

JAXAプレスリリース

記者会見の質疑応答(松浦晋也のL/D)

それにしても技術的な説明を読んでると「すげーなぁ」って思う。
残っているイオンエンジンの中和剤は僅か42〜44kg。これで上手くいけばだけど3億kmの距離を戻ってくるんだから(いや、地球をかすめて行くだけだけど)、すごい燃費だよなぁ。
もっとも中和剤のキセノンガスは42kgで700万円ほどするそうだが。

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