ゴジラの味噌汁

かげろう(!日記)
'!' は論理演算子 Not です。
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05年  01月 某日

■  すばるとほうきぼし
マックホルツ彗星 が6日に地球に最接近。そして今日から明日に掛けて、(見かけ上)昴の横を通過する。

http://www.nao.ac.jp/pio/20050107machholz/index.html 国立天文台・マックホルツ彗星

ってことで久々の天文ショウ。すばる(プレアデス星団)と惑星が接近することはよく有るけど彗星がこんなに接近するのは珍しい。しかも冬の空気が澄んだ時期で光度も3.6等級と比較的明るい。
これは見なくちゃならんだろう、ってことで久々に双眼鏡を引っ張り出して観察 見物。

8時頃に見たときは薄雲がかかってオリオン座すら確認できず、10時頃、再度見てみる。残念ながら横浜では明るすぎて肉眼では確認できなかったけど双眼鏡では同じ視野の中にすばると彗星が同時に収まって、ちょっと感激。尾は確認できないが、かなり大きな視野角で、ぼーっと浮かんでいる。
ヘール・ホッブ彗星や百武彗星のような派手さは無いけど彗星としてはかなり明るい。しかも見付けやすい。なにしろ昴のすぐ横なんだから。
まだ数日はチャンスがあるので、興味があったら見てください。(いや、見えなくなるわけじゃないけど素人には見付けにくくなるってこと。)

で、これだけじゃ何だから昴に関する薀蓄をつらつらと。

すばるの名を知らない人はいないだろうけど実際に見た人は意外に少ないと思う。
清少納言が「星はすばる」と真っ先に書いたように全天でも一番美しいと思う。肉眼で良し、双眼鏡でよし、望遠鏡で良し。特に短焦点の広視野望遠鏡で見ると筋を引いたような星間物質の中にまたたく無数の星は宝石のように見える。天体写真では青が美しいけど、肉眼のほうが最高に綺麗。これは先にも書いたけど単体の星じゃなくて星団なのだ。(そのすぐ隣に彗星まで見えるのだから今日は最高の日である。)
場所はオリオン座(あの臼の形は冬の夜空を見上げればすぐに目に入る)の右側に向かい合うようにしてある牡牛座(星占いで有名な黄道十二宮の一つ)の背中のあたり(オリオン座の一等星、ペテルギウスから牡牛座の一等星アルデバランを挟んで反対側。上のリンクに有るページの図を参照)に夜空に浮かんだ小さな雲のように見える。目の良い人ならその中に小さな星が6〜7ケ見えるはずだ。だから別名「六連星(むつらぼし)」とも言う。ちなみに、「すばる」は縛るの古語である。星を集めてギュっと縛ったように見えるから。その他にメシエの星雲カタログで「M45」とも呼ばれる。

えーい、ついでだ、もう一つ与太話。
「昴」って言えば谷村新司の大ヒット曲。この中に「我は行く、心の命ずるままに。我は行く、さらば昴よ。」というフレーズがあるれど、ずっと疑問に思ってた。
この人、何処へ行くのだろう。
「さらば、昴よ」って、南十字星が日本で見えないように、昴の見えないところに行くとしたら何処だろう。先にも書いたように昴は黄道上の牡牛座にあるのだ。黄道ってのは太陽の通り道だから昴は太陽が見える所なら地球上の何処でも見えることになる。強いて言うなら地球から昴が見える時期、白夜が続いて星が見えない南極くらいか。
としたらこの歌、南極観測隊のテーマソングなんだろうか。

05/01/07
科学・技術

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